二人は手を繋ぎ、寄り添いながら歩き始める。
握られた手はとても暖かく体中がポカポカとして、寒さなんて全く感じなかった。
「オレは決心したことがある」
「決心?」
犬飼が真剣な声で月子に告げる。あまりに真剣な声なので、月子は何事かと真剣に聞き返した。
「早急に夜久月子豊胸プロジェクトを始動させる必要がある。ないないと思っていたが、予想以上になかった…。あれでは男子とそう変わらな……」
「い~ぬ~か~い~君~?」
「わはははっ!怒るなよ!本当のことだし!」
「もーーっ!!」
真剣に聞き返して損をしたと月子はぷいっとそっぽを向く。隣からはくつくつと犬飼の笑い声が聞こえ、一応いつもの定番のやり取りで怒ったフリをするが、月子もそっぽを向いた先でクスリと笑う。
「悪かったから、いつまでもそっぽ向いてないでこっち向け夜久」
「……しょうがないなぁ……っ!?」
振り向けば、すぐ目の前に犬飼の顔があった。あと数センチでも近付けばキスをしてしまう距離。犬飼はそんな距離のまま月子に囁いた。
「……今度の休日、プロジェクト…始めてみるか…?」
「!犬飼く…ん…ぅ」
犬飼は月子の言葉を熱い口づけで奪った。
軽くついばむようにチュッチュッと何回も月子の唇を食み、食感を楽しんだ。
「返事は?」
唇が触れるか触れないかギリギリの所で、犬飼はプロジェクト開始の許可を求める。月子はにこりと微笑むと、犬飼の頬に手を添え、今度は自分からそっと口づけた。
「………よろしくお願いします」
「まかしとけ……」
どちらからといわず唇を寄せ合い何度もキスを交わす。
お互いの熱が唇を通して伝わり、身も心も何か温かなもので満たされとても気持ちがよかった。いつまでもこのままでいたかったが、流石にそういうわけにもいかず、二人は再び手を取り合い、寮への帰り道を歩いて行った。
見上げれば雲一つない満天の星空。キラキラと輝く星達はまるで二人の恋を祝福しているようだった。
【続く】
【次回!とうとう二人が一線を………!続きが読めるのは月刊妄想ファミリーだけ!(大嘘)】
……というわけで、続きはR18でいつか書く予定ですが、予定は未定(笑)
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